嵯峨実果子

とにかくそういうことだとしても、ここから先にどうやって進んでいったらいいのだろう。どこへ。考えこむ前にとりあえず数本の足のどれかを前に出してみれば。地面のほとんどを覆っていたらしいアスファルトはとうの昔に粉々に砕け散って、さらに細かく砕けて砂粒になり、風景は概ね砂漠だった。黒い砂山があちこちにできている。風向きによってその位置は大きく変わり、地形は日ごと変化する。それでも靴のかかとを踏んではいけないという習わしは言い伝えられてきた。脈々と靴はきちんとはきなさい。そして歩行らしき動きを開始する。

『ミち』

mimaculの公開ワーク「連歌のように」一本の小説(なのだろうか)をメンバー全員で書く試み。タイトルは『ミち』 【ルール】 ・決めた順番で回していく。嵯峨→山羊→河合→立蔵→堀井→林→川瀬→下村→京野→高橋→たまな→小高→元岡→古川 ・人物が登場する場合、名前は登場順にイ、ロ、ハと付ける。 ・1回の更新が短くても構わない。 ・前の人が書いたものを引き継ぎつつ、文体や口調が変わってもよい。