たまなまや

パタン。


ふーーーーっ。

本を閉じると、舞は大きなため息をついた。

ここまで一気に読み進めてしまったけれど、

お姉ちゃんに借りた本はやっぱりちょっとむずかしい。

だって、登場人物がたくさんいて、しかも名前が

イとかロとかホとかへだなんて混乱しちゃうわ。

ねえ、お姉ちゃん、最初に出てきた人がイで、電話してたお兄ちゃんがロなんだよね?

そっかそっか。

でさ、次の章の、ホって女なの?

でも僧のへは屈強な助っ人を妹トに送り込みたいって言ってたよねぇ。

あ、そうか、ホって女の人でも屈強なのね!

やーだ、わたしったら、いつの間にか「女は屈強ではない」なんて

ジェンダー差別みたいなのが刷り込まれてたみたい。

でもとりあえず、Schonglilaっていうところ目指せばいいんだね。

だんだんわかってきたよ、この話。

さ、続き読もうかな~~~っ。

あ、やだ、もうこんな時間、学校行かなくちゃ…!


バタバタバタ…




『ミち』

mimaculの公開ワーク「連歌のように」一本の小説(なのだろうか)をメンバー全員で書く試み。タイトルは『ミち』 【ルール】 ・決めた順番で回していく。嵯峨→山羊→河合→立蔵→堀井→林→川瀬→下村→京野→高橋→たまな→小高→元岡→古川 ・人物が登場する場合、名前は登場順にイ、ロ、ハと付ける。 ・1回の更新が短くても構わない。 ・前の人が書いたものを引き継ぎつつ、文体や口調が変わってもよい。